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アイラブ桐生・第4部 41~43

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 しかし過剰定員の日になると、そもまま食堂は戦場に変わります。
もともと120人ほどしか入れない食堂は、
普通では考えられないほどの勢いで
生徒たちに、朝と夕方の食事を提供しなければなりません。


 それが、『早技の2回転』と呼ばれるテーブル・セッティングです。
最初の組に、約30分間ほどで食事を提供した後に、
10~15分ほどの準備時間で、第2陣のための食事をセットします。
季節が良くなり修学旅行がピーク期を迎えると、
連日にわたってこれが繰り返されます。
驚いたことに京都へは、一年を通じて修学旅行生たちがやってきます。
観光シーズンを過ぎても、やはり生徒たちが日本の各地から
ひっきりなしにやってきます。
ピーク時の戦争騒ぎは収まったものの、毎日観光バスが
一体どこからかき集めてくるのかと思うほど、
たくさんの生徒たちを運んできます。
まったく・・・・
日本には、中学生と高校生が溢れているとしか思えません。


 修学旅行とはいえ、夕食はそれなりに豪華です。
すき焼き、焼き肉会席、てんぷら定食セットという3種類が揃っています。
市内と近郊の観光のために充分な時間をとることと、他校とのトラブルを避ける意味で
多くの学校が、必ず同じホテルで連泊をします。
3日間の連泊でも重複をしないための、独自の献立の工夫です。

 とはいえ、それでも一人前が6~7点ほどの品数になります。
配ぜんワゴンに山盛りにしてそれらを運び、決められた位置に皿を揃え、
さらにお代わり用のご飯やみそ汁なども、
温かいうちに提供をしなければなりません。
ホールでの仕事は、上着を脱いで半袖に蝶ネクタイ姿でも、
汗びっしょりの激務です。
男子校の場合などは、もう地獄の沙汰そのものです・・・・
いいえ、女子ばかりの高校でも、やはり似たようなものがあります。
むしろ喧しいという点では、断然こちらのほうが上でした。
そう言う意味では、共学校のほうが男女ともに、すこぶるお上品です。
まったく不思議な現象としかいいようがありません。



 朝の献立も3種類で、和食、洋食、和洋食と続きます。
こちらの朝飯は、(早い出発時には)もう午前6時前から始まります。
そんな時には7時を過ぎると暇になり、ホールの後片づけが終わってしまうと
それだけで、午前中の仕事が終了してしまいます。
夕食の準備が始まる午後4時までが、まったくの自由の時間にかわります。


 通常でも、午前9時頃には朝の仕事は終ります。
アルバイトたちも朝食をすませると、それぞれの大学へ向かいます。
ちょうど講義に行くこの時間帯が、ホールでの仕事の休憩時間にあたります。
なるほど京都ならではの旨いアルバイトだと感心をしましたが、
ほとんどの学生たちは、ほとんどのように、キャンパスへ顔を出していない、
という事実も、後になってから知らされました。
大学生たちは、大学にも行かず日中は、一体どこへ消えるのでしょうか・・・・