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察人姫-第弐話-

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「うう……ひどい目に遭ったよ」
「撮影時間一時間って……なんで調査時間より長いんだよ」
「しかも変な格好だし……可愛い服なら喜んで着るのにさ」
「それが球道さんだろ」
 深夜二時。
 L203号室。現在ソラとユーイチが同棲している場所。
 ソラは黄色のパジャマ、ユーイチはジャージに着替えて球道からもらった情報を机に広げて整理を始める。
「明日はどうする?」
「もちろん門田って人に突撃だよ」
「いや、講義だよ。僕は出席やミニレポートがある講義はないけど、お前はゼミがあっただろ?」
「あっ……」
「しかも前に一回サボってるから結構面倒なことになると思うけど……」
「だ、大丈夫だよ。明日休んでもまだあと一回休めるし……」
「そんなことしてるとまた単位が悲惨になるぜ?」
「うう……」
 一回生で取得した単位が計二十のソラはユーイチの言葉に耳をふさぐ。
 二人が通う大学を卒業するのに必要な単位数は百二十八。一年間に取れる最大単位は五十。つまりソラが大学を無事卒業するには一層の努力が必要になるが……その様子はない。
 ちなみにユーイチは一回生、二回生で計百の単位をすべて高い成績で取得している。
「……仕方ないな、その門田って人の聴き込みは僕がやるよ。お前はせめてゼミには出席しろ。また昼に保澄学園で落ち合えばいいだろ」
「えっ……いいの?」
「ああ、そのかわり掃除洗濯の当番一週間分な」
「うん、ありがと」



作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司