察人姫-第弐話-
三十分後。
「これだな。名前は門田雅晴……保澄学園OBで株式会社JJネットワーク勤務、歳は二十三の新入社員、弟が保澄学園に通ってるな」
「うわ、簡単に分かるものなんだね」
「いや、球道さんだからだろ」
その男が掲示板に盗撮動画を投稿した者だと球道は告げる。
そしてその情報をメモするユーイチと、なんとも言えない妙な格好をしてモニターを見つめるソラ。
「とりあえず門田って人に事情聴取だね」
「ってか警察に通報でよくないか?」
「待て、んなことしたら俺が色々面倒だ。それよりまずは写真撮影だ」
「うう……今さらだけどこの格好は変だよ。普通に水着とかナース服とかじゃダメ?」
「うるさい。そんな温い写真撮ってどうする」
門田という男の住所や電話番号などといった個人情報も割り出した球道は愛用のカメラを手にソラを連れて唯一整理整頓が行き届いた別室に向かう。
「こいつが犯人なら事件は明日にでも解決かな……」
自分で勝手に淹れたコーヒーを口に含み、連れられていくソラを眺めながらユーイチは呟いた。