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察人姫-第弐話-

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 保澄学園生徒会室。
「あ、お疲れ様です。調査はどうでした?」
「これからってとこだな。ウチのお姫様はマイペースで困る」
「すみません。明日からは手伝えると思うんで」
 完全下校時刻が近づき、荷物を預けたままのため生徒会室に戻る二人を迎えたのはアタル。他の生徒会メンバーは既に帰ってしまったようだ。
「あれ?もしかしてかなり待たせたか?」
「いえ、みんなついさっき帰ったところです。それにいつも下校時刻まで自習してるので」
「それは感心感心……うはっ、全然分かんねぇや」
 アタルの言う通り机の上には数学や物理の問題集が置いてある。まさに生徒の鏡だと思いながらユーイチはパラパラとアタルのノートのページを捲り、やがて苦い表情を浮かべて元の位置にノートを戻す。
「ねぇねぇ、勉強の話はいいからもう帰ろうよ。せっかくお金もらったんだからイートコでご飯食べよ。アタルも奢っちゃうよ?」
 待ちきれないと言った風に帰り支度を済ませ、部屋の隅で膨れっ面をするソラの手には一件目の事件を解決した報酬が握られている。
「もういいのか?調査」
「うん、ここじゃできることなんてもうないからね」
「そうかい。アタル、お前はどうだ?」
「せっかくですけど塾が入ってて……」
「そっか。じゃあまたの機会だな」
「はい、今度家にも来てくださいね。母さんも楽しみにしてるので」
「りょーかい」
 本当に残念そうな表情を浮かべるアタルと別れ、二人はバス停に向かう。



作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司