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察人姫-第弐話-

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「本当に謎ですよね。今日会えたら直接訊いてみたかったんですけど……」
「そうね、私も知りたいかな。でもちゃんと働いてお給料もらってるみたいだし、あの子も大人だからあまり詮索できなくて」
「美奈子さんにとったらいくつになっても子供ですよ。だから訊いてみてもいいと思いますよ。僕も会えたら訊いておきます」
「そう。ありがとう」
 そんなやり取りをする二人に対し、ゲームをしているソラは淡々と追い詰めてくるアタルに苦戦していた。先程から頻りにアタルに対して文句を言うソラだが、アタルはお構い無し。どんなゲームをしようと結局勝つのはアタルの方だった。
「そういえばアタルは塾に入れたんですね。ソラやミツルさんは塾なんて行ってなかったのに……」
「あの子の希望だから。まさかウチの子が勉強したいなんて言い出すとは思わなかったわ」
「アタルは真面目ですよ。でも気合塾ってかなり授業料高いんじゃないですか?」
「そうね。けどミツルやソラの分をと思えば……ね」
 そして口には出さないが、佐伯家には十分な資産もある。普通の塾より高かろうが、大した問題ではないのだ。
「祐市くんは……その、お父様やお母様とはどうなの?」
「会ってませんね。正月と盆には顔を見せにはいきますが……姉貴とはよく会いますが」
「そう……」
「はい。けど問題はないですよ。一応それは解決しましたし」
「ならいいけど……ね」
「ええ……おい、さっさとやることやっとけ、ソラ。アタル、久し振りに勝負だな」
「はい、お願いします」
「うー、ユーイチの意地悪……」
 そしてユーイチはいつまで経っても調査に取りかかろうとしないソラの首根っこを掴んで強制的にアタルの相手を交代する。
 ユーイチにも家庭の事情があり、それが一つの原因でソラと今のような関係を築いているが、それは別の話。



作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司