察人姫-第弐話-
弐ノ壱
調査三日目の午後。
保澄学園コンピューター室。
「これが学園の裏サイトか……知ってはいたけど初めて見たな」
「実際利用してるのは少数人ですし」
「で、ここに動画がアップされたと」
「はい、すぐに管理人である会長に消されましたが」
寅田の一件を理事長やこうちに報告した二人は第二の事件である盗撮事件の調査をしていた。
そんな二人に協力するのは柿内茜。生徒会会計にしてパソコン部の部長である。
「ちなみに投稿されてから削除されるまでの時間は?」
「四分くらいです」
「……確認だけど、このサイトって誰でも利用できるのか?」
「いえ、在校生徒だけです……正確に言えば登録してる生徒です」
ログインできる人数は在校生徒の総数で、利用するにあたっては自分の学年、クラス、出席番号を入力した後、パスワードの入力が必要となる。
「つまり外部からの利用も不可能ってわけじゃなさそうだね」
「ええ、パスワードが一致すれば誰でも利用できます」
誰でも可能。
他の者には不可能だった寅田の場合とは違う。手口が簡単であればあるほど犯人の特定は難しくなる。