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察人姫-第弐話-

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 放課後。
 女子生徒が犯人の可能性が高いと判断した二人は先にリストで挙げた二人の女子生徒に聞き込みをすることにした。
 ソラは土井遥香を、ユーイチは長島優衣をそれぞれ担当し、念のためにアタル達生徒会役員には質問内容を載せたメモを渡して四名の男子生徒への聞き込みを担当することになった。
「それじゃあいくつか訊いていいかな?」
 そして皆は対象の生徒に対して六つの質問をする。
 アルバイトのシフトについて。
 なぜアルバイトをするのか?
 最近した大きな買い物は?
 社会人との交流について。
 何時に帰宅するのか? 
 カメラなどの機械に強いか?
「ああ、あと一ついいかな?」
 そして女子にはもう一つ。
「更衣室を使う時、どのあたりに荷物を置く?」
 この質問に対する反応を二人は注意深く観察する。
 アルバイトについてのアンケートから質問をガラリと変えたことに対する反応を。
 しかし、二人揃って反応は戸惑うだけで、いたって普通の反応。犯人ならばカメラの質問で何かを察し、荷物の話で動揺する筈だったが……二人は全く無関係な人物の反応。何かを装うわけでもなく、ポーカーフェイスでもない、自然な反応。
 アタル達生徒会も特に違和感はなかったとのこと。
 高校生に自分の感情を完璧に抑え込むことは難しい。
 つまり、彼女達の反応はソラの推理が当たらなかったことを意味するのだった。



作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司