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察人姫-第弐話-

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「ソラ、放課後は聞き込みをするとして、それまでの時間はどうするんだ?」
「もちろん検証だよ。いくら対象を絞っても仕掛けることができなかったら意味ないし」
「だな。けど動画はもう消されてるからな、せめてどのアングルから撮ったのか分かれば……」
「もしかして動画見たいの?やだ、ユーイチのエッチ」
「あほか」
 五時間目が始まって二十分。二人は校長から許可を得て現場検証をするため女子更衣室に向かっている。ちょうど体育がないため簡単に許可が下りたものの、カメラの設置場所が分からない。
「生徒会が隈無く探しても見つからなかったんだろ?設置されたカメラやその痕跡」
「うん。もう、どうせなら門田って人からUSBをもらっておけば楽なのに……」
「悪かったよ……」
 それでも門田への聞き込みからアングルは上からだとアバウトなことは分かっており、陸上部の部室と同じく天井の隅なども考えられたが、全くといって良いほど痕跡がない。
「もしかしてさ、誰かの鞄に忍び込ませてあったのかも……」
「えっ?」
「ほら、一番高い棚に鞄を乗っけて……その隙間から撮るの。それなら痕跡を遺すことはない」
 百七十センチ後半の身長のユーイチが軽く背伸びして届くのが棚の最上段。ほとんどの女子には厳しいが、椅子を使えばソラでも届く。
「けど椅子を使ってまで高い場所を選ぶのは不自然じゃないか?」
「ううん、不自然じゃない時はあるよ。私も体育の時間経験した……更衣室の人がいっぱいになる時……」
「あっ、合同授業か」
「うん、そして今は六月の中旬……ウチの学校はこの前終わったばかりだよね?」
「体育祭か。じゃあ、その予行演習の時に……」
「うん、仕掛けられた。つまり……」
 ソラの推理が正しければ犯人は女子生徒ということになる。



作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司