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察人姫-第弐話-

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「おう、おかえり。リストはもらえたのか?って、寅田さん、待ったは認めませんよ」
「くっ……相変わらず嫌な手を使いやがって」
 二人のやり取りから戦況は明らかで、ユーイチの頭の中にはあと数手で詰みに持っていく計算ができており、実際そのイメージ通りにソラが来てから四手で決着がついた。
「三年の空きがありますけど、これで僕の五連勝ですね」
「覚えてたのかよ」
「はい、五連勝できたら夕食を奢ってもらえる約束だったので」
「そんな約束は覚えてないぞ?」
「まぁ嘘ですし……」
 片付けをしながらの二人のやり取り。ソラとユーイチが高校生の頃はよく寅田達と将棋やオセロなどもしており、三年前の光景にソラも笑顔をみせる。
「そんじゃリストを基に調査をはじめよっか」
「おう。あ、これが門田への聞き取りメモだから読んどいてくれ」
「うん、ありがと。とりあえずリストから現在アルバイトしてる人としてない人を分けてもらってもいいかな?あと業種別に区分けしてもらったら助かるかな」
「あいよ。やっぱりあれか?新しく稼ぐことができてバイトを辞めた奴が怪しいのか?」
「ううん、むしろアルバイトしてる人。特に時給の高いバイトをしてる人が私は怪しいと思う。あと夜中に働いてる子とか……取引は夜中なんだよね?だったら夜中に家を出てても怪しまれない子が気になるかな」
「オッケー、とりあえず分けていくか」
 そうしてソラがユーイチが得た情報に目を通している間にユーイチと暇潰しに手伝っている藤村はリストを整理する。
 そしてソラが怪しいと考える深夜もアリなアルバイトをしている生徒は六人。コンビニに牛丼屋、ハンバーガーショップ、カラオケ店とどれも深夜の仕事が可能な職場で、その内訳は男子が四名、女子が二名。
 三年二組、吉田大地。
 二年四組、金田正輝。
 二年四組、村田吉治。
 二年八組、山田亮介。
 三年一組、土井遥香。
 一年一組、長島優衣。
「じゃあ放課後はこの六人に聞き込みだね。どうせならアタルにも手伝ってもらおっか。ユーイチからお願いしておいてね」
 メモを読み終えたソラはそう言って放課後の行動を決め、ユーイチは軽く手を挙げて了承した。



作品名:察人姫-第弐話- 作家名:朝朽 司