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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回】ココロのうた

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「京助!! 京助ッ!!!!」
「落ち着いてくださって言ってるじゃないですか!!!」
「とりあえず座布団でいい座布団!!!; 折ってコッチ!!」
耳に入ってきたのは飛び交う言葉の嵐で体に感じたのは頬の痛みとアチコチを触られている感触
手に感じたのは自分よりちょっと細めの指でしっかりと包まれている感じ
「…京助…?」
その手が誰のものかなんとなく見たくなって腕を上げると小さく名前を呼ばれた
「あ、気が付いた」
その一言でさっきまでの言葉の嵐がやんだ
「きょう…すけ…?」
もう一度名前を呼ぶのは同じ声その声の主は自分の手をしっかり握っていた手と同じ人物
「ベソっかき…;」
眉を思いっきり下げて自分の顔を見ていた緊那羅に言ってみた
「だーもー!!! 心配かけやがって----------!!!;」
坂田が大げさに溜息を付く
「大丈夫? なんか本当…大丈夫?」
南が心配そうに聞いた
「泣きながら気ィ失うんだもんナァ; ビビッたービビッた;」
座布団を肩に担いで中島が言う
「うーん…チョイいきなりすぎたっけねぇ…?;」
阿修羅がハッハと笑い頭を掻いた
「笑い事じゃないでしょッ!!」

ボフン

阿部が阿修羅めがけて座布団を投げつけて怒鳴った
「げ; やばい;」
ふと携帯をひたらいた坂田がデジタル表示の時計を見て言った
「タイムアウト?;」
南が坂田の携帯を覗き込みながら聞くと坂田が溜息交じりに頷いた
「戻らんばヤバイなー…っとおもう…んです…けども…」
坂田がそう言いながらゆっくりと目を向けた方向に一同も同じように目を向ける
その視線の先にはきょとんとした京助
「…なんですか;」
京助が口の端を上げて聞く
「…京助は早退ってことで…じゃ駄目なのかな」
「は? 俺は別になんとも…;」
「なくないじゃない」
ボソッと言った阿部に京助が返すと更に阿部が返してきた
上げた阿部の顔の眉毛はコレでもかというほど下がっていて不安いっぱいの顔だった
「なんともなくないよ…今はなんともないかもだけど学校戻ってなんかあったらどうするのよ…学校には…」
ソコまで言うと阿部が少し言葉を止めて一呼吸した後
「ラムちゃんいないんだよ?」
阿部の言葉に緊那羅が顔を上げた
「え…?」