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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回】ココロのうた

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「っじゃーん」
そう明るく言いながら広げたのは【柴野ストアー】と書かれていたいわば粗品として配られると思われる一枚のタオル
「…しばぴーの家のタオルじゃん;」
南が突っ込む
「それがどうか…京助?;」
更に突っ込もうとした坂田が目には言った京助の異変に名前を呼んだ
瞬きしない京助の目から次々に出てくるのはとまることのない涙
「…オイ…?;」
坂田が呼びかけても京助の視線は阿修羅の持つタオルに釘付けのまま動かずにそれでも流れる涙は顎をつたいポタポタとあぐらをかくその膝に落ちてしみを作っていた
「京助…」
隣に座る緊那羅が呼びかけてもかわらずの京助を見て阿部が立ち上がりそして京助の後ろに立った
スパンッ
というまるでスイカを叩いたかのような音が風鈴の涼しげな音と重なり響く
「お嬢…;」
阿部の行動にあっけに取られていた一同が阿修羅の声で帰ってきたのはソレから少したってからだった
「トリップしてんじゃないわよッ!!! 泣くならアタシ達が物事理解したうえで泣いて!! わけわかんないんだからっとにッ!!!」
涙を垂れ流した状態で目を大きくして阿部を見上げる京助に阿部が声を荒げた
「…一人で…泣かないでよ…わけわかんないから慰めることも一緒に泣くこともできないじゃないアタシ達…」
ソレまで眉を吊り上げていた阿部の顔が泣きそうな顔にかわった
「阿部さん…」
緊那羅が声をかけるとふぃっと顔を振ってそして笑顔を緊那羅に向けた
「ラムちゃんもだよ? …一人でないちゃ駄目だからね」
そういって阿部が本間の隣へと戻り腰を下ろした
「阿部」
顔を上げた阿部を京助が呼んだ
「…さんきゅ」
少し鼻声で京助が言うと阿部が嬉しそうに笑った
「…続けていいか?」
阿修羅が言う
「ああ…」
ズッと鼻を啜った京助が大きく深呼吸して答えると阿修羅が手に持っていたタオルを京助に向かって投げた
「…ただのタオルだよね…」
タオルを見によってきた南が端っこをつまんでしげしげとタオルを見る
「でも京助コレみた瞬間目からナイアガラだったじゃん? ただのタオルじゃないんじゃねぇ?」
坂田が京助の頭に腕を置いて上からタオルを見下ろした
「…竜のボンには見えたんきに…まだ術が解けてないけどな…きっと…違うけ?」
阿修羅が静かに言うと視線が京助とその京助の手にあるタオルに集まった
「あの日のこと…時が始まった日のこと…そして…【緊那羅】が一回死んだ日のこと…」
緊那羅がぴくっと反応して阿修羅を見た