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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回】ココロのうた

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部屋全体がしん…となった
「…それって…」
矜羯羅が最初に口を動かして聞いた
「それって緊那羅は…」
続いて坂田が言葉を発した
「…ッ…」
乾闥婆が顔を背けると迦楼羅がその乾闥婆の頭を自分の胸に押しやった
「…そうやんきに…緊那羅は一回命落としてるんきに…」
阿修羅が静かに言うと京助が緊那羅に視線を向けた
「…私は…一回…死んでる…んだっちゃ…?」
緊那羅が途切れ途切れで言うと阿修羅が頷いた
「でもだったら何で一回死ぬ前の記憶がないの?」
鳥倶婆迦が突っ込んだ
「それが…竜の術やんきに…」
阿修羅が言いながら今度は京助を見る
「緊那羅が一回死んだ時…【時】が始まっていたんきに…そして…緊那羅は竜のボン…お前を守って死んだんきに」
京助の目が大きく見開いた
下げられた風鈴がチリリリリと少しやかましいくらいに鳴った

「…びびったか?」
阿修羅がへラッと笑って京助に言った
「…もしかして…冗談…とか言うなよ?;」
ちょっとどことなく作ったような平然とした顔で京助が阿修羅を見返した
「いっや~…残念だなぁ」
阿修羅がハッハと笑ったのを見て迦楼羅と乾闥婆以外の一同が一斉にナンダ~…冗談かコンチクショウというカンジで息を吐いた次の瞬間
「全部…本当のことやんきに」
部屋中に阿修羅の声が響き渡り迦楼羅が顔をしかめた
「…ちょ…っと待ってよ…待って待って!!;」
阿部が身を乗り出し声を上げた
「わっかんないんだけど!! ラムちゃん生きてるじゃない!! ココにいるじゃない?!生き返るとか…なんなのよソレ!! 第一京助を何から守ったっていうのよ!!!」
「落ち着け阿部郁恵」
眉を吊り上げて阿修羅に食って掛かる阿部を本間がなだめる
「ソレをこれから話すんきによお嬢; すまんけど静かにしたっての」
片手を上げた阿修羅が阿部に向かっていうと阿部がぐっと何か言葉を飲み込んだままおとなしく俯いた