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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十二回】ココロのうた

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「ラムちゃん! ラムちゃんちょっと待って------------!!!;」
「今の緊那羅は緊那羅じゃないってさっき聞きませんでしたか? 無駄ですよ呼んでも…ッ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

クイックで腕の布を解いた乾闥婆が腕を動かすと坂田の前に巨大な水柱が何本も立った
「乾闥婆ナイスー!!」
中島が声を上げる
「向かっていってるよ」
キャッキャ喜んでいたところに鳥倶婆迦がさらっと言うとそのキャッキャが止まった
「坂田-------------------------!!!!;」
「っ…;」
乾闥婆の出した水柱に向かっていく坂田に乾闥婆が慌てて水柱を操り道を作った
「坂田ー!! 坂田ー!!!;」
「あっ; 馬鹿お前等ッ!!;」
坂田の後を追って駆け出した南と中島を慧光が追いかける
聞く耳持たないといったカンジの坂田はただ真っ直ぐ清浄…柴田の元へと駆けて行く
「はなしてぇッ…てんでしょッ!!!!」

ガンッ!!!

「~~~~;」
制多迦に抱えられていた阿部が思い切り足を後ろに蹴り上げその踵が制多迦の股間を直撃したようで制多迦がうずくまった
「一回で離さないからこうなるのッ!!…っ…香奈ッ!!」
蹲る制多迦を見下ろすかんじでそういい残した阿部が同じように駆け出した
「待たんかお前等!!!」
「どけよ!! …っお前!柴田だろ!!? なんでそんな阿呆くさい格好してんだよ!!なぁ!!」
迦楼羅に腰をつかまれた坂田が迦楼羅を振りほどこうとしながら清浄に向かって叫んだ
「柴田さんッ!!;」
追いついた南が坂田同様【柴田】と呼んだ
「香奈!!」
阿部も追いつき柴田ではなくその腕に抱きかかえられている本間の名前を呼んだ
「…! 迦楼羅!!」
「危ない!」
乾闥婆と矜羯羅が同時に叫びそして同時に両腕を前に出した
その二人の声に振り向いた迦楼羅が見たものは目の前に迫ってきていた緑色の光り
「!!!」
「うわぁあああああッ!!!;」
「きゃぁああッ!!!」
無音にも思えた一瞬
上がった悲鳴
巻き上がった砂埃