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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「ぶどう園のある街」 最終回

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二人が乗った車は1時間ほどで古墳のある場所に着いた。

「はい、着きましたよ。降りましょうか?」
「美也子さん、ここはどこなの?」
「降りてから周りを良く見てください。きっと解りますよ」
「そうかい・・・」

車から出た雅子はじっと古墳の方角を見た。首をひねりながら反対方向を見た。そこには昔自分が住んでいた高層のマンションが建っていた。

「大きな建物ね・・・誰が住んでいるんでしょうね」
「雅子さんが住んでいたところですよ。覚えていませんか?よくショコラちゃんと散歩に来たでしょう?ここの公園で小さかった私に会っていたんですよ」
「ショコラと散歩?・・・美也子さんの小さい時を知っているって言うの?」
「ええ、そうですよ」
「私にはあなたじゃなく小さい頃に病気で亡くした娘がいました・・・」
「雅子さん!思い出したの・・・そうよ麻美ちゃんのことよ」
「麻美?そういう名前だったかしら・・・もう随分昔のことだから・・・そうだったような気がする」
「麻美ちゃんのお父さんは記憶にありますか?」
「お父さん・・・私の夫と言うこと?」
「そうです」