「仮面の町」 第十一話
「男性はほぼそうだね・・・女性も意識は失ってしまっただろうね」
「では、苦しますに亡くなったと推測出来るのですね?」
「その通りだろう・・・少なくとも男性はそうだ」
「女性は少し意識があったかも知れないと言うことですか?」
「可能性は低いが否定は出来ない。理由は、山崎警部が事故の現場で見た様子を語ってくれた時に、左腕を庇うように右手で押さえていたと言ったからね」
「女性がですか?」
「そうだよ。だとしたら・・・無意識なのかも知れないけど、そうする余裕があったということになるね」
「ボクが駆けつけて様子をしっかりと見ておけば良かった・・・今本当に後悔しているんです」
「君は救急隊員じゃないから傍に居ても何も出来なかっただろう。通報して直ぐに警察と救急車が来たことは立派な行為だったと思うよ」
「山崎警部に聞かれたのですか?私が目撃したと言うことを」
「それとなく言ってたよ。若者が通報してくれたと」
「そうでしたか。話をまとめさせてください。先生の予想として、車の方からバイクにぶつかっていったことの可能性が高いということですね?」
「そのことは山崎警部にも言ったよ。聞いていなかったのかい?」
作品名:「仮面の町」 第十一話 作家名:てっしゅう