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仮想現実

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「ねえ」
「な、何?」(声掛けられても……何なんだ、この女?)
「あの人は、誰?好きな人?」
「誰のこと?」
「パソコンで話してる人」
「仕事のメールは結構あるからわからないな」
「んーと『ポニュ』って、送ってくる人」
私は、誰のことかはわかったが、あえて答えず首を傾げた。
「ふーん、そっか。それでいいの?本当に気持ち通じてる?インストールする?」
「インストール!?」
「バーチャルからリアルへの変換器psycho」
「サ…イコ…」
「私の事。だけど、私の名前じゃない。『ポニュ』さんをインストールする?」
私は、初めてのことに興味がわいた。好奇心が駆り立てられる。
要らなくなれば、アンインストールすれば良いことだ。
「そのアプリは有料?」
「アプリ?アプリケーションの事ですか?」
私が、頷いて見せると、彼女は頬を膨らませた。
「その辺りのソフトウェアと一緒にしないで!ずっと見てきた貴方に何かしてあげたいと思っただけ……」
彼女の表情が曇ったと同時にディスプレイの壁紙が変化した。
「わかった、コストは掛からないんだね。で、どうするの?」
「デスクトップのアイコンをWクリックして」
「さっき出ていたヤツだね」
「画面のインストール枠に『レ点』を入れて、それと同じ『ログインユーザ名』と『パスワード』を入力」
「で」
「画面の『する』『しない』いずれかをクリック。それだけ…。いい?」
「いいよ」
「じゃあ、待ってる」
彼女の唇が頬に触れたような気がした。彼女は消えていつも通りのデスクトップ画像になった。
私は、その中に新しく入り込んだアイコンを見つけた。
(あ、これだ)
先ほどの戸惑いはもうない。
逸る気持ちを抑えているといったほうが真実に近いと思う。
「デスクトップのアイコンをWクリックして」
それにしても、何処の『アイコンの素材屋』から出てきたのだろう。
表す言葉が見つからないが、見た目は『凶悪ウイルス』の様だ。
(彼女とは、イメージが違いすぎる)独りでほくそ笑みながら指を動かす。
「えっと、画面のインストール枠に『レ点』を入れて、で同じ『ログインユーザ名』と
『パスワード』を入力」
「画面のインストール『する』『しない』いずれかをクリック。もちろん『する』」
「よし!完了」
ディスプレイの壁紙が変化し始めた。
だが、普段のインストールよりも時間がかかっているようだ。
「あれ?不具合かな。手順がまずかったのか?」
デスクを爪先でカツカツと弾きながら、ディスプレイを見続けた。
作品名:仮想現実 作家名:甜茶