スリリングな夢
6
町に戻ると、俺は一軒の酒場に入った。
ドアを閉じると一斉に俺を見ていた連中は何事も無かった様に仲間と酒を酌み交わし、ポーカーに興じる。
店の中央ではポロポロと軽いアップライトピアノの旋律に合わせて派手な衣装の娘が歌っていた。
俺はカウンターに行くと酒を注文した。
やけに厚底のショットグラスにいかにも粗悪なウィスキーが注がれ目の前に置かれる。
立て続けに三杯飲むと、空っぽの胃袋が燃える様に熱くなった。
カウンターのオヤジに食事とベッドを頼むと、オヤジはカウンターの下から取り出したやけに可愛いベル取り出し、チリリンと鳴らした。
するとピアノの演奏が中断し、歌っていた娘がこちらへ歩いて来る。どうやら今日はこの娘が相手をしてくれるのだろう。
部屋へ入って暫くすると小僧が分厚いステーキを持って来た。
その頃には夢のご都合主義のせいか、娘はすっかり打ち解けて、俺の洒落たジョークにコロコロと笑い転げていた。
分厚いステーキをウィスキーで流し込むと、これまでの長い冒険のせいなのか、俺を強烈な眠気が襲ってきた。
不満そうにしなだれかかる娘を追い出し、俺は服を脱ぎもせず、ベッドに横になった。
話の展開からすると寝込みを襲ってくる輩がいるに違いない。