スリリングな夢
2
気がつくと俺は囲炉裏の前で座ったまま寝ていたらしい。
銘刀「國松」を支えの様に抱いている……。
どうやら俺はこの百姓の村に用心棒として雇われている様だ。
刀など振った事も無いが、何やら腕が鳴って来た。
俺は同じく雇われた数名の仲間と作戦について話し合った。
一癖も二癖も有りそうなのが俺を含めて五人。俺の頭を少々不安がよぎる。
どうやら野武士の来訪は三日後の昼間らしい。
人数を考えれば到底適う訳は無いが、何も知らずに油断してやってくるのだけが唯一の救いだ。村人の話では酒を飲んで酩酊状態で来る奴も居るという。
それから二日間、俺たちは村人達より少しばかり良い物を食い、酒を飲み、戦闘に備えて訓練をした。
そしてお約束通りに山中に隠れていた村の娘と恋に落ち……。