アイラブ桐生 第三章 36~38
アイラブ、桐生
(38)第3章 同郷のトラック野郎たち(3)
「一番星ブルース」
<本編の前に>
東映映画の一番星シリーズで、
本編に似た、トラック運転手コンビが登場しました。
「トラック野郎、ご意見無用」の菅原文太と愛川欽也の競演です。
全部で10作品が作られ、当時のヒット作・渥美清の
「寅さん」シリーズのもつ、華やかで明るいコメディに対して、
庶民的で少々下ネタとカーアクションが多いこの映画は
痛快娯楽作品として人気を博しました。
なを、このシリーズも後半になると、
子供たちへも配慮をして下ネタが減り、
デコトラや人情部分を前面に押し出し、大人から
子供まで楽しめる作品に変貌しました。
初公開は1975年8月ですので、
群馬のコンビ(この当時は、1972年、初夏)のほうが
実は先輩にあたります。(笑)
後年になってから、一番星シリーズのテーマ曲が深夜ラジオで、
長距離便の運転手たちを中心にたいへん人気となりました。
この東映と松竹のふたつの作品に、
ともに共通して登場するのが「マドンナ」です。
古くは夏目漱石の「坊ちゃん」にも登場をした、あのマドンナです。
特別な言葉の響きがしめすように、特別な存在の女性のことを指して
敬意をこめて、「マドンナ」と呼ばれています。
「男はつらいよ・寅さんシリーズ」にも
たくさんのマドンナたちが登場しました。
その中で、合計3回も登場した、浅丘ルリ子の「リリィー」が出色です。
ドサ周りの売れない歌手役として初登場をしました。
物憂い陰のある部分ヲを見せながら、一途な優しさを秘めた
女性の姿を見事に演じました。
いまでも、数ある寅さんシリーズで必ず見たい3本が、
リリーが登場するこの3本です。
まったく本編とは関係のない、個人的な趣味のはなしです・・・・(笑)
一番星シリーズでも、当時深夜ラジオで運転手たちに
人気を博した演歌歌手、矢代亜紀が熱望して友情出演したという
エピソードが残っています。
もちろんこの時にも、矢代亜紀が文太に思いを寄せる
マドンナ役として登場しました。
いずれも、今は昔の話です・・・
それでは本編に戻りましょう。
作品名:アイラブ桐生 第三章 36~38 作家名:落合順平