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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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森林(もり)のサカナ祭り

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 気がつくと、ぼくは自分の部屋にいた。まだ胸がドクンドクンと波打っている。どうやって帰ってきたのかよくわからない。でも、花火大会をおしまいまで見て、みんなと帰ってきたことがぼんやりとした記憶にある。
 とすると今夜のことは夢? 花火大会の間の一瞬の幻?
 いや、夢じゃない。ぼうっとしているぼくの目の前に現れた少年は、机の上に飾った看板のそばに新しい花束をおいていった。
 ぼくはその意味を考えた。今のぼくにできることといったら、せめて新しい看板を作ることくらいしか思いつかない。
 次の日、コウジ君たちと相談して作ることにした。板を白いペンキで塗り、赤く「魚付き保安林」と書いて、それを漁協の人に話して森林の木にかけさせてもらった。