森林(もり)のサカナ祭り
「また来年、待ってるぜ」
東京へ帰る日、三人が駅まで見送りにきてくれた。
「うん。でもその前に冬休みも春休みもくるよ」
電車がホームを離れていく。三人はホームの端まで走って手を振ってくれた。その後ろにあの少年の姿が見えた。
ーー見送りにきてくれたんだ。
ぼくが手を振ると、少年は笑いながら消えていった。
それからぼくはこの夏の体験を忘れないように、自由研究として作文に書いた。森林が命の源だということをひとりでも多くの人に知らせたくて。
タイトルは、そう。
ーー森林(もり)のさかな祭りーー
おわり
作品名:森林(もり)のサカナ祭り 作家名:せき あゆみ