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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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森林(もり)のサカナ祭り

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「おまえ、よそ者だな」
「ここでなにをしているんだ」
 突然、背後から声がして、三人の少年にとり囲まれた。
「あ、あの、ぼく……」
 ぼくはうまく説明できなくて泣きそうになった。すると、ぼくの手にしている花束に気づいた一人が、
「ああ、それ」
と言ったので、ぼくはいきさつを説明した。
「あ、これ……。緑色の髪をした子にもらったんだ」
 三人の後ろのガケにはぼくがもらったのと同じ花が咲いている。オレンジ色のユリと濃いピンク色のナデシコの花だ。
 すると、急に三人の表情はやわらいで、声をそろえて言った。
「さかな祭りへようこそ!」
 ぼくはますます訳が分からなくて、目をぱちぱちさせた。
「それじゃあ新しい仲間を歓迎しなくっちゃな。おれはコウジ。六年だ」
 と、スポーツ刈の体格のいい少年がいった。すると坊主頭の小柄な少年が、
「おれは弟のヒロト。三年だよ」
というなり、そばにある漁師の小屋からバーベキュー用の網を出してきた。そして、
「おれはトモノリ。コウジと同じ六年だ」
と、いいながら、さらさらした髪の長めの少年が岩を利用して作ったカマドに新聞紙を丸めたものと、板を小さく割った薪を入れて火をつけた。
「あ、あの……ぼくはヤスハル。三年です。よろしく……」
 わけがわからずぼくが戸惑っていると、
「あいつは森林(もり)の精なんだ。おれたちも何年か前に会って、さかな祭りに招待されたんだ」
と、とってきたばかりのサザエやアワビを網にのせながら、コウジ君が言った。