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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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森林(もり)のサカナ祭り

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 次の日、またひとりで浜に下りていくと、今度はだれかに呼ばれたような気がした。見回してみると、岩場の陰からぼくを手招きする少年がいる。
 近づいてみてぼくは驚いた。遠目に見たときは肌の色が浅黒かったので地元の子だと思ったけど、なんだか様子が違う。年はたぶんぼくより少し上くらいなんだろうけど、髪の毛の色が緑色っぽくみえるし、目の色も赤みがかっている。
 不思議なことにその子はなにも言わないのに、なんとなく言いたいことが伝わってきた。
「ここで、まっていろって?」
 その子はうなずいて、ぼくの手にオレンジ色とピンク色の花をもたせると、目の前からかき消すようにいなくなってしまった。
「うそぉ」 
 ほっぺたをつねったらとても痛かった。