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蒼い空と爽やかな風

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 数年後、創美会のメンバーのひとりと彼女は結婚した。相手の男は山が好きで、何度も彼女を含む仲間たちで登山をしたらしい。私も登山が好きだったが、彼らからは一度も誘われなかった。
 その更に数年後、私は母親になった彼女に会うために、妻を連れてその新居を訪れたことがある。彼女は私に対して極めて好意的で、テーブルに並べられた彼女の手料理を小皿に取り分け、私の席に何度も届けてくれた。彼女はスタイルが良くなり、きれいになっていた。私は母親になった彼女に恋をしてしまったような気がする。彼女には尊敬できる人格が感じられた。アトピーも完治したのだと云っていた。彼女は私の妻と親しくなり、私は何度も妻を伴ってその家を訪れた。
 更にまた数年後、私は創美会の或るメンバーから彼女が離婚したことを聞かされた。彼女は子供を連れて父の家に戻ったということだった。潮騒の聞こえるその家で、彼女は暮らしている。彼女のひとり息子は小学生になっただろう。私も離婚して、今は独り暮らしをしている。彼女が結婚したばかりの頃に彼女が住んでいた家の近くを、私は仕事の関係で通ることが多い。その二世帯住宅を見る度に、私は彼女を思い出している。彼女と私が結婚したならば、私は離婚することもなく、愉しい家庭生活を現在も、これからも、続けられたような気がする。