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アイラブ桐生・第三部 第三章 34~35

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 午前3時に、琉球警察が全警察官1200名の最大動員を発令します。
MPも完全武装の兵員配備を要請しますが、
暴動発生現場の制圧は不可能として、いったんは周辺に退きます。
最終的には警察官が500人、MP・沖縄人警備員が300人、
米軍武装兵約400人が動員されます。


 道路にあふれた暴徒は、ふた手に分かれて進みます。
約200人が、現場から600mに位置する嘉手納基地第二ゲートから
火のついた車両を押した立てて基地内へ侵入をしました。
基地内では、ゲートに設けられているガ―ドボックスや米人学校が
放火されてしまいます。
米軍は威嚇発砲や放水で対抗をして、
それ以上の基地内への侵入を抑えました。


 またもう一方で、約2000人が現場から
南西へ1キロほど離れた島袋三差路まで押し出して、
武装兵たちと対峙をします。
車両への放火や投石が繰り返され、即席の火炎瓶なども使用されます。
午前5時すぎに、米軍はベトナムでも使用していた手投げ催涙ガス弾の
使用を許可して、暴徒の分断と鎮静化の着手をしました。


 午前5時55分に琉球政府の副主席が現地に到着をします。
警察も宣伝カーを繰り出して群衆に帰宅を呼び掛け、
午前7時30分までに暴動は自然収束をします。

 この結果、車両は75台以上が炎上し、
双方合わせて100名近くが負傷をしましたが
暴動にはつきものの、民家や商店からの略奪行為などは
一切発生をしていません。
暴動の矛先が、米軍人と軍属のみを標的にした行動だったことを
ここで見事に立証をしています。


 またさらに特筆すべきこととして、
政治色や組織的な指導や指揮があったわけではなく、
あくまでも、自然発生的な市民たちによる
自発的な行動であったという事実です。
米軍からの利益をうけている立場のAサインバーの従業員たちが
(逮捕者も含めて)積極的に暴動に参加をしていた
という特徴もありました。