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てっしゅう
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「哀の川」 第二十七話

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由佳は本当に純一が話したのでちょっと驚いたが、母に自分もそうしたいと気持ちを伝えた。そして大学の4年間は神戸と東京で離れて交際することになるとも話した。今純一が言った言葉は、離れていることへの担保になる・・・そう気持ちの上では納得させることで由佳と二人で帰ってくるまで楽しみに待っていようと頷きあった。

家に帰った純一は両親に神戸に行く考えを話した。麻子は初め反対していたが、純一の成長のためにはそれも一つの方法だと了承するほうに傾いていた。早速直樹の祖父に電話をした。祖父はもちろん大喜びに賛成した。寂しい二人暮しだったから、純一の来ることが夢のように思えたのだ。これから建てる家に純一のために用意するものがあったら教えて欲しいと話してくれた。最近広がりつつあったパソコン用のデスクとISDNのラインを引いて欲しいと伝えた。良く理解していなかったが、メモを取りながら祖父は聞いていた。

直樹は純一に出来れば勉強をして神戸大学に入って欲しいと願ったが、ダメなら関学(関西学院大学)へ進むようアドバイスした。関西では、関大(関西大学)や近大(近畿大学)より学びやすいこと、優秀であることが理由だ。それと、京都産業大学へもコンピュータ関連の学部なら勧めるとも言ってくれた。純一の選択は、神戸大学か関学にということで決まりかけていた。