「哀の川」 第二十七話
「純一さん、わがまま言ってごめんなさい。あなたを信じなきゃダメよね。由佳は純一さんがしたいことを応援するって前に約束したから、守らなきゃね。だから、私もお願いを一つするから、守って欲しいの」
「なんだい?お願いって?」
「誰とも仲良くしないようにしてね。そして、東京へ戻ってきたら、由佳をお嫁さんにして欲しいの。その日のために勉強したり、お稽古事したりして寂しさを紛らわせるから。由佳も神戸に遊びに行くけど、由佳にも逢いに来てね。お願い約束して・・・」
「由佳、ボクのお嫁さんはキミしかいないよ。キミのお母さんにも今日約束するよ。解ってくれてありがとう。キミの家でなんだけど、由佳が欲しい・・・」
「私の部屋に来て・・・シャワー浴びてきて、先に・・・」
言われたとおりにして、由佳がバスルームから来るのを心待ちにしていた。枕元に杏子から貰った大切なものをそっと忍ばせて・・・
作品名:「哀の川」 第二十七話 作家名:てっしゅう