地上の楽園
第一章 魔族
世界には三大宗教と呼ばれるキリスト教、イスラム教、仏教が存在しています。
それぞれが正義や愛等を説く心ある教え。
しかしその反面悪魔崇拝という宗教も存在しているのです。
今世界で最も強大な力を持つ悪魔崇拝がゲヘナ教であるのです。
世界各地でその勢力を持ち、人々に必要悪を説いています。
ゲヘナの教えは正義と悪は表裏一体。
どちらかが一方に傾いた時世界は均衡を失い混乱してしまうのです。
聖を唱える力が世界を支配している今、世界は聖なる思考や愛と正義が最も正しいと考えられております。
そんなとき、ゲヘナの教えは尊い物であり世界を守る教えでもあるともいえるのです。
物語の舞台は2466年アメリカジャパン州、ここはかつては日本国と呼ばれ首都は東京と呼ばれていた。
日本国は多大な借金と国力の低下が原因で遂にアメリカに買収。
天皇家が女系を認めその力を失った時日本にもう対抗出来る力が残って居なかったのです。
東京に立ち並ぶ高層ビル、科学の力は発展を極め現在ではテレポーテーションシステムを導入、人々が行き来するあの街中の風景は見事に消え去っていた。
ここ東京にそびえ立つ一つの教会、
ここは悪魔崇拝の拠点の一つである。
東京の人々はここを異端教会と呼び、信者以外は近寄りません。
またこの教会に通う者やその息子を異端者と呼び迫害しました。
一般に公開されることなく闇に葬られる異端審問、また生まれてきた事を罪とする生誕罪、彼らを迫害することは、もはや学校のイジメで終わる物ではありませんでした。
あの何もなかった地上にここまで繁栄した悪魔の楽園、サタンはこの構図を見てどのように思ったのでしょうか?
そして正義や愛を語る魔族達を見て何を企んでいるのでしょうか?
全ては神のみぞ知る事と言えるでしょう。
そしてその人類が信ずべき神こそ魔王サタンであるのです。