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魔王さぁたん
魔王さぁたん
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地上の楽園

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聖十字教会付属エデン高校
ここはキリスト教徒が通う一般の高校

女生徒「ひゃあぁあぁ!遅刻だぁ!」

校門へ全速力で駆ける少女がいた。
彼女は天野ひかる
ここ、エデン高校に通う18歳のごくふつうな女子高生である。
ちなみに登校時のテレポーテーションシステムは校則で禁止されている。
言わば自転車通学のようなものだからだ
彼女は校門をくぐって一息付いて教室へ向かった。

男子生徒「うぃー!ひかるー遅刻おめでとー」
ひかる「な、何よ!ほっといてよバカ!」
男子生徒「全く今日で3日目だぜ?起きれねぇなら毎朝起こしに行ってやろうかぁ?」
ひかる「バッバカッ!」

この男子生徒は廣瀬正樹
ひかるとは小学生のときからの付き合いで言わば幼なじみであった。
かと言って仲がいいのか悪いのか顔を合わせるといつもお互いに憎まれ口を叩く。
まさき「まぁよ、お前もそろそろ進路考えねーとあぶねーぞ?」
ひかる「進路かぁ…」
考えた事も無かった。
ひかるはこれといった夢も目標も無かったのだ。
今を楽しく生きることに必死で将来のことなんて真剣に考えてもいない。
ひかるの家は代々伝わるキリスト教の家系でその先祖は江戸時代の天草四郎であったと言われている。
ひかるは女であるからもちろん嫁がなくてはならないのだが跡継ぎの兄は近所でも有名な怠け者だったので親もひかるに対してばかり期待を膨らませていた。

ひかる「あたしってさ、ほら、こう目立った特技とかも無いし何がしたいのか自分でも分かって無いじゃん?」
まさき「じゃぁ卒業したらどーすんだよ?まさか進学するとか言わねーだろーな?」プププ
ひかる「な、何よあたしだってちょっと頑張れば大学だって行けるんだから!」
言ってひかるはしまったと思った。
このまさきという男は全くをもって意地が悪い男だ!
この手の吐きセリフは100年経っても忘れない。
まさき「あーあ言っちゃった…まぁいいや!期待してるよガンバレ」
まさきは棒読みでそう言い残しひかるに背を向けた。

そしてそれから数時間後、まさきは死んだ。
何者かによって殺されたらしい。
学校の屋上で1人手足を切り落とされ、ダルマ状態になっているところを発見された。
作品名:地上の楽園 作家名:魔王さぁたん