『マイヤーくんの冒険』
マイヤーくんは、トムくんの話を聞いて、怒っていいました。
「ぼくのおじいさんは、そんな怪物とは何の関係もない。ただ一人、やみの世界から帰ってきた勇者だ。今、君にくわしくは話せないけどおじいさんが帰ってきたとき、ぼくひとりだけにひみつをはなしてくれたんだ。そして魔法の道具をくれたんだ。それがあるから、こわいものなど何もないよ。ぼくも勇者だということをみんなにわからせてやるんだ。」
「いつもいっているけど、魔法の道具ってどんなものなの?町を出て行くのにだいじょうぶかい?」トムくんは半分あきらめていいました。
「ぼくだけの秘密にするっておじいさんと約束したからみせることはできないよ。ただ、絶対守ってくれる魔法の道具なんだ。ただし、旅の仲間、真の友達だけには道具の秘密を明かすことができるんだって。でも、トムくんを危ない目にあわせたくないから、みせることはできないよ」
「マイヤーくん、ぼくもいっしょに旅に出るよ。ぼくはマイヤーくんのことがとても心配なんだ。友達じゃないか、だから魔法の道具をみせてよ。」
トムくんは、町の外にあるというやみの世界がとてもこわかったのですが、マイヤーくんの魔法の道具がとても見たくてしょうがなかったのです。それと本当に、マイヤーくんが帰ってこなくなることが、悲しかったのです。
作品名:『マイヤーくんの冒険』 作家名:ウィザード