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『マイヤーくんの冒険』

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「それよりぼくと、チェスゲームをしよう。マイヤーくん、今日こそは負けないよ」
「いや、本当に決めたんだ。今晩出発するよ。今まで集めた旅の道具を持って。」
「マイヤーくん、でも町の外はとってもこわいところだって、ぼくのおとうさんもおかあさんも、おとなのベン兄さんもいっているよ。」
「こわい怪物や、なんでものみこんでしまうやみの世界がひろがっているんだよ。そして、いままで町を出たひとは、だれもかえってきたことがないんだよ。」
「トムくん心配しなくていいよ、ぼくの旅の道具は、じつはぼくのアルおじいさんからもらった魔法の道具なんだよ。そして、きみもぼくのおじいさんは知っているだろう。ただひとり、やみの世界から帰ってきた男だよ。」
トムくんは、マイヤー君の話を聞いてびっくりしてしまいました。
じつは、そのアルおじいさんのことは、よくわからないのですが、町の人の間では、話してはいけないことになっていたからでした。
「マイヤーくん、きみにはとってもわるいけど、きみの・・・アルおじいさん・・のことはしゃべっちゃいけないことになっているよ」
「きみの・・・アルおじいさん・・のことを話すだけで、やみがやってきて、怪物にのみこまれてしまうって。やみの怪物のうなり声をきいたりして、病気になった人もいるって」
トムくんは、小さな声でふるえて言いました。