愛憎渦巻く世界にて
「では、また明日」
ゲルマニアはドアへ向かって歩いていく。
「あの!!!」
すると、マリアンヌが彼女を呼び止めた。
「なんだ?」
「シャルル様に、このティアラを預っていてくれてありがとうと、伝えていただけませんか?」
マリアンヌは、さっそく自分の頭につけたティアラを指さしながら言う。
「……明日、自分の口で言え」
ゲルマニアはニヤリとしながらそう言うと、地下牢から出ていった。
少し安心できた様子のマリアンヌは、床に横になって眠ることにした。
地下牢から出たゲルマニアがまずしたことは、また眠っていた2人の兵士を叩き起こすことだった……。彼女は、マリアンヌをこのまま逃して、この2人が死刑になっても構わないかと、一瞬だけ思った……。