愛憎渦巻く世界にて
「なんで誘ったりしたんですか!?」
村から西の道で、メアリーがウィリアムに歩きながら問いただす……。
「声を聞けばわかる。彼は信用できる人間だとな」
ウィリアムは、自信を持ってそう答えた。メアリーはため息をつき、
「すごい自信ですね。まあ、その眼力が無ければ、ここまで来れなかったでしょうが……」
「それに、彼は主人公だから、私の出番が増える!」
ボケ担当らしい彼が、さらに自信を持ってそう言った……。
「いったい何の話をしているんですか!?」
ツッコミ担当らしい彼女が言う……。
「おっ!」
彼女のツッコミを気にせずに、彼は後ろを振り返った。後ろから聞こえてくる足音を聞きつけたようだ。
「……そろそろ追いつくと思ったよ」
彼がそう呟くと、彼女も後ろを振り返る。
シャルルが、村のほうから走ってきていた……。