愛憎渦巻く世界にて
「この馬鹿者ども!!!」
そのころ、ムチュー王国の王城では、国王が烈火のごとくブチ切れていた……。国王の目の前には、近衛兵たちがおり、マリアンヌが行方不明になったことに対して、怒っていた……。
「お許しください!!!」
近衛兵たちは震えながら、許しをこうた。
「もし、マリアンヌの身に何かあれば、家族ともども死刑だ!!!」
どこかの独裁者のようなことを国王が言った……。近衛兵たちは、小さな悲鳴を上げる……。
「すぐに連れ戻してまいれ!!!」
国王がドアを指さして叫ぶ。
「ハッ!!!」
近衛兵たちは、猛ダッシュで、国王がいる私室から飛び出していった……。
「……まったく、あの皇子は何を考えているのやら」
国王が眠そうに呟いた。横にいた国王妃は黙ってうなずく。彼と彼女は、あれから一睡もせずに、マリアンヌのことを心配していたのだった……。