愛憎渦巻く世界にて
船へ戻り始める一行。マリアンヌは気分が落ち着いたらしく、ゆっくりと立ち上がる。
先ほどのような奇襲がまたあるかもしれないという恐怖心が自然と湧き上がってしまうらしく、ちょっとした混乱が、船への縄バシゴの下で起きてしまっている。ゲルマニアは構うことなく、マリアンヌを無理やり縄バシゴの下まで連れていく。2人を手助けするため、他のメンバーも同行する。ただ、シャルルだけはその場に立ったままだった……。
シャルルは決意していた……。母親と村の敵討ちのために、ディーブたちを追うことを……。彼らがまだ町にいるという根拠は無かったが、やってみる価値は十分にある。自分自身の手で復讐を成し遂げるためだ……。
彼は剣を一瞬抜き、刃先を確認する。日光の強烈な反射が、剣がいつでも使えることを彼に告げていた……。
彼は回れ右をし、町に向かって駆け出す。ふ頭を走る彼の後方で、マリアンヌがゲルマニアに支えられながら縄バシゴをよじ昇っていた……。