小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

愛憎渦巻く世界にて

INDEX|142ページ/284ページ|

次のページ前のページ
 


 あの2人の大臣は、政府高官専用のラウンジで休んでいた。軍人である2人は、かなりのストレス耐性の持ち主であったが、ゲルマニアのとてつもない殺気にはやられてしまったようだ……。
 ただ、悪口を言う元気はあるらしく、
「皇子は、とんでもない連中を連れてきてくれたものだな」
「まったくだ。野蛮人どもと付き合っていることなど、臣民に知れたら大変なことだぞ」
などと好き勝手にほざいていた……。

「失礼します」
そこへ、ビクトリーとハリアーが入ってきた。悪口を言っていた両大臣は、ビクリと驚いたが、
「なんだ、ノックもせずに!」
「貴賓室の警備はどうした!?」
偉そうに怒鳴った。しかし、ビクトリーとハリアーは、たじろぐこともなく、革張りのソファに座っていた両大臣の近くに立つと、
「どうしてもお聞きしたいことがありまして」
「戦争を終結させる手段について、両大臣閣下がどう考えておられるのかを知りたいのです」
堂々とそう尋ねた。
 2人の質問を聞いた両大臣は一笑すると、
「武力による解決をはかるに決まっているじゃないか?」
「そうそう」
バカな質問するなよという口調で、そう即答した。だが、
「「金儲けするための」武力による解決ですか?」
ビクトリーが含みを持って、そう再質問すると、両大臣は、ハッとした様子を同時に醸し出した……。
「ど…どういう意…意味だね?」
陸軍大臣が噛みながら尋ねる。完全に慌てている口調であった……。海軍大臣は肩を震わせて黙っていた……。
「もっと詳しく質問しましょうか?」
ビクトリーは不敵な笑みを浮かべている。
「「あなたたちが金儲けするための」武力による解決ですか?」
ハリアーは、ゆっくりとした余裕気な口調でそう言った……。

 両大臣は裏で、武器売買により大儲けしていた……。それも普通の企業活動ではなく、横流しした武器を売却していたのだ……。この戦争が混沌としたものになればなるほど、彼らの財布に金が入り込むため、タカミ帝国による軍事介入を望んでいたというわけだ……。
 もちろん、こんな悪事がバレれば、クビだけでは済まないということぐらいは、両大臣もよく知っている……。

 このハリアーの詳しい質問に、両大臣は顔を見合わせて震えていたが、すぐに名案が浮かんだらしく、
「知らぬ存ぜぬをしてくれたら、君たちにも分け前をやろうではないか!」
「そうともそうとも! これからの世の中は、金が究極の存在となる時代なのだからな!」
ビクトリーとハリアーを買収しようとしてきた……。
 しかし、ビクトリーとハリアーは顔を見合わせた後、再び両大臣に視線を戻すと、
「両大臣閣下? 俺たちは、金ではなく国のために戦う存在なんですよ?」
「もし考えを改めてくれるなら、今回のこのビジネスの件については黙っていますよ」
そう強気に諭した……。ゲルマニアにも負けないぐらいの殺気が、2人から放たれており、両大臣から力が抜けていくのがわかる……。

作品名:愛憎渦巻く世界にて 作家名:やまさん