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あみのドミノ

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亜美乃は恥ずかしそうにベッド上で胸を隠している。薄暗くした微かな光の中で亜美乃ははかなく頼りなさげに見えた。私をもてあそんでいるのではないかとも思えた姿は無い。私は反対に余裕が持てた。亜美乃を後ろから抱きしめた。胸が小さいコンプレックスを持つ亜美乃のためにだ。そっと小さい胸を撫でる。

「亜美乃のおっぱいは可愛いよ」私は傷つけないようにそう言った。亜美乃のこわばった体が柔らかくなった気がした。それでも完全に身を投げ出した感じでは無かった。私はそろそろと下半身に手をやった。亜美乃の手がそれを拒んだ。ポーズとしての抵抗という感じではなかった。私はしばらく間を置いてまた手を伸ばした。
「ダメ」と亜美乃はしっかりと股を閉じ、手も力が入っている。私はそれほど下半身にはこだわりたくなかった。亜美乃の手をとって胸の辺りで握り合った。

薄明かりの中で、亜美乃の顔は天井を向いている。何かを考えているように。私は同じように天井を向いてほーっと長く息を吐いた。亜美乃がこちらに向きを変える気配がした。
私はじっと天井を向いたまま亜美乃が何をしようとしているのか待っていた。
「ごめんね」

そう言ってから亜美乃は私の胸に口を這わせた。私は小さな幸せが少しずつ下方へ移動していくのを感じている。小さな幸せが、急に大きな幸せに変わった。

外に出ると亜美乃はもう少女の顔に戻っていて、食事を終えてレストランから出たような雰囲気だった。私もまた亜美乃のブレーキによって事故にはいたらなかったような感じがした。どこか共犯者のように二人で顔を見合わせて方をすくめた。
「送っていくよ」私が言うと、亜美乃は声をひそめて「早く帰った方がいいよ。奥様がまってるよ」と言った。

私は急に魔法がとけたようになって、頷いた。頭の中で私は言い訳をしている。
(肉体関係は無い。父親がわりなんだ)

作品名:あみのドミノ 作家名:伊達梁川