あみのドミノ
その言葉が反対に亜美乃に火をつけることになって、私たちは、新宿御苑のほうに歩き出した。大通りから御苑沿いへと歩いた。
「キスからそれ以上へとは、どこで決断をつければいいのだろうね」
これから行く先を予想しているのだろう亜美乃はそう言った。
「どれだけ好きだろうかだろうね」
私は当たり前のことを言いながら、私は人生を投げ出してもいいかもしれないと言う気持ちと、おいおい頭を冷やせよという自分の声を聞く。
「精神、肉体?」
「哲学的だね」
「私、解らない。体が要求しているようでもあり、頭だけで欲しがっているのかもしれないし。この前遊園地で観覧車から夜景を見ているとき、解らなくなってしまったの」
「それはすごーく簡単なことでもあり、非常に難しいころでもあるね」
「簡単?」
「そう、両方がそういう風に思えればいいんだ」
「私ね、いつもどちらかがブレーキをかけるの」
亜美乃はちょっと下を向いて呟いた。私は愛おしさを感じて亜美乃の体を引きよせた。
亜美乃はすーっと私の両腕の中に収まった。亜美乃が私を見上げた。私はその唇にそっと口を寄せた。