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アイラブ桐生・第三部 28~29

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 「早く逃げろ!」

 「MPが来ると面倒だ、早くしろ!」


 ストリッパー嬢を抱え起こすと、
あわてて、入口へ向かい一気に表通りへ飛びだしました。


 「こっち!」


 優子に手首をつかまれました。
「後で連絡する!」そう言い残すと、
恵美子と青年は反対方向へ走り始めます。
見送っている暇はなく、私も急いで優子の後を追いました。


 「早く、こっち。」 
 優子はすでに、二本目の路地を曲がっています。

 ストリッパー嬢の腕をつかんだまま、
優子の後を追ってその路地へ飛び込みました。
角を曲がったところで、少し重くなった手ごたえを心配して
後ろを振り返った瞬間、唖然としてしまいました。
ストリッパーの女の子は、小さな下着を上下に着けているだけで、
ほとんど見た目は、素っ裸そのものでした。
Tシャツを脱ぐと、くしゃくしゃにまとまったままのそれを、
とにかくストリッパーの腰の周りへ、乱雑に巻きつけました。



 「こっち、こっち!」
 細い路地から顔をだして、優子が手招きをしています。
細い路地を夢中で何本も抜けました。
ようやく一息をついて落ち着いたのは、
べつの大通りに面した、アーケードの通りに出てからです。


 「ここまで来れば、とりあえずは大丈夫でしょう」


 息を切らせたまま、深呼吸を繰りかえす優子が、
追いついてきたストリッパーのいでたちを見て、目を丸くしています
自分のバックに手を突っ込むと、上着とスカートをとりだして、
それをストリッパー嬢に手渡しました。