アイラブ桐生・第三部 28~29
恵美子が、おおくの全青連のメンバー達とともに、
この暴動の地である、コザの青年団と交流するためにやってきました。
再会を約束したのもその会場です
優子と恵美子は、また抱き合ったまま
お互いに涙をこぼしあっています・・・・
美恵子はたった3日の間に、すっかりと日に焼けています。
3月末とはいえ、沖縄の日差しはもう本土の
真夏と同じくらいに強烈です。
「すこし、ヒリヒリするの~、私の持ち肌が・・・・」
たしかに、恵美子の半袖からは健康そのもので、
小麦色の二の腕がのぞいています。
「無防備すぎるばい。
せっかくの持ち肌が、それでは台無しです」
地元の青年団員が、気の毒そうに慰めてくれてます。
先ほどの集会で「コザ事件」についての基調報告をしていた青年です。
集会後の青年団員たちは小グループに分かれて、
それぞれ次の目的地に向かって移動をはじめました。
全青連による全体的な日程はここまででした。
2日ほどの自由行動のあとに、
再び那覇で解散式に集結するという予定です。
気がつけば、優子と恵美子、基調報告の青年と、私の
4人だけが取り残されました。
作品名:アイラブ桐生・第三部 28~29 作家名:落合順平