「ぶどう園のある街」 第七話
「素敵な音楽ですね・・・やっぱり楽器を演奏されている人って聴く音楽も違うんですね」
「褒めてくれて嬉しいよ。これはお気に入りのサウンドなんですよ。美也子さんはどんな音楽が好きなの?」
「特に好きと言うものはないです。普段あまり聞きませんから・・・静かな雰囲気の方が好きかな」
「そう。じゃあクラシックかな?」
「堅苦しいのは良く解りませんから聴けないです」
「じゃあ歌謡曲なんかは嫌いではないのかな?」
「ええ、嫌いではないです。家では父が母によく聞かせていますよ。歌を聴いて口ずさむことがリハビリになるからといっていましたからね」
「なるほど、そうかも知れないね。今度一度前のカラオケ喫茶に一緒に行きませんか?経験しておくのもいい勉強ですよ」
「勉強ですか?・・・はい、そうですね。誘ってください・・・」
「早速食事の後に行きましょう!正月もやっているから是非来てとママさんに言われていたから」
「本当ですか!・・・」
「ええ、そうしましょう」
作品名:「ぶどう園のある街」 第七話 作家名:てっしゅう