「仮面の町」 第八話
日曜日の朝駅前の日本レンタカーに寄って予約しておいた小型車に乗って弘一と優子は住所を頼りにまず岡田真人の家を訪ねることにした。
「長草町・・・二丁目はこの辺りだから、車を置いて歩いて探そう」
「そうね、前の小さな公園の隅に置いたら?」
「そうする」
車から降りて二人は歩いて家を探した。
「ここだ!表札に岡田と書いてある」
結構門構えのしっかりとした一戸建ての家だった。インターホンを押した。
「はい、岡田です。どちらさまですか?」
「突然失礼します。天木弘一と言います。お伺いしたい件がございましてお訪ねしました。怪しい者ではございません」
「天木さん・・・お待ち下さいね」
玄関を開ける音が聞こえて母親らしい女性が顔を出してこちらを見た。
目線が合うと弘一と優子は頭を下げた。
作品名:「仮面の町」 第八話 作家名:てっしゅう