「初体験・選択編」 第三話
「最良の相手って誰なの?」
「おみくじだよ。気にしてどうするの」
「だって・・・うきうきしてるんだもの」
「そりゃ春から縁起が良いからね、大吉で。嬉しくなるよ」
「私も引いてみる!」
「いいよ。でも期待すると・・・外れるかも知れないよ」
「なら・・・いい。もう行こう」
「機嫌悪いな・・・それに寒いし」
「甘酒でも飲もうか?」
「いいね、そうしよう」
境内にあった露天商の長いすに腰掛けて並んで甘酒を飲んだ。熱かったが生姜が利いていて身体も温まった。
雄介の顔を見ながら、最良の相手とは自分のことだろうかと小枝子は考えていた。
作品名:「初体験・選択編」 第三話 作家名:てっしゅう