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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・四】らぶりーべいべー

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「…京助と一緒に海にいったんだよ」
阿部が言った
「…俺と?」
京助が自分を指差した
「そう…でねアタシ…」
「京助-----------------!! キョンスケ--------------------!! キョンキョ--------------------ン!!!」
言いかけた阿部の言葉が坂田の大声で止められた
「お----------------------ぃス!! …ワリ;またな」
京助が坂田の声のした方に向かって叫ぶと阿部に苦笑いを向けた
「あ…ううん; じゃ写真現像して…おくから」
阿部も苦笑いを返して手を振った
「さんきゅ!」
にかっと笑った京助が靴をキュッキュとならしながら廊下を駆けて行った
「…おしかった…よね…アタシ…うん、頑張れた」
阿部が携帯を握った

「何やってたんだ?」
軍手を真っ黒にして炭を割っていた坂田が駆けて来た京助に聞く
「阿部に写真のこと聞いてたんよ。南欲しがってたろ?」
「えっ! 何? 京助聞いてくれたん?」
京助が火バサミで袋から炭を取り出しながら言うと南が顔を上げた
「緊那羅のカメラまだ枚数のこっててさぁ…阿部が確か携帯で…」
京助が話す
「さんきゅー!! ありす喜ぶわー!! 大好きン京助!!」
南が京助に抱きついた
「せんせー破廉恥なことしてるヤツ等いまーす」
中島が手を上げてウニに向かって言った
「緊那羅とヒマ子さんだけじゃ飽き足らずついに親友にまで…」
「悪友の間違いだろが; ってかまたそのネタかよ;」
京助が南をひっぺばしながら口の端を上げる
「俺にはありすがいるし~?」
引っぺがされた南が笑う
「高校入ったらバイトして金貯めて…」
「ハイハイ未来予想図はソレくらいにして手を動かせ手を;」
金網を掃除していたハルと浜本が戻ってきて突っ込む
「この合宿終ったら夏休みだなー…ふー」
パキンと炭を割った坂田がしみじみという
「なんつーか…早ぇえよなぁ…」
中島が空を見上げた
「年取ったねぇ俺等も」
ウンウンと南が頷く
「オイオイ; お前等がそんなこと言ってんなら俺たちはどうするんだ;」
順ちゃんが苦笑いで言う
「いや~…だってもう14歳ですぜ旦那」
南がちょいとポーズで順ちゃんに言う
「14歳ってさぁ…俺昔スゲェ大人に感じたんだよな…なんつーか…何でもできてさ…」
京助が言う
「だから…」
そこまで言うと京助が止まった
「だからどうした? 京助」
突然黙った京助を一同が見た
「だから…って…あれ?;」
「あれ? はお前だよ;」
何かが引っかかっている京助に中島が突っ込む
「…いや…うん…なんだかね?」
「いやだからお前がなんだかねだろうが;」
ハッハと笑いながら言う京助を坂田がどついた

「遅かったじゃない」
戻ってきた阿部に本間が言う
「…あのね香奈」
阿部が本間のジャージの袖をぎゅっと掴んだ
「アタシまだ頑張れると思った」
「そう…いいんじゃない?」
阿部が笑顔で言うと本間がさらっと言った後笑う
「じゃ頑張れる阿部ちゃんは玉ねぎ切ってくださいな」
本間が玉ねぎを差し出した
「はいさー」
阿部が笑顔で敬礼した