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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・四】らぶりーべいべー

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磯舟並ぶ前浜に色とりどりのタオルが船の上に置かれていた
「ぬる~ッ;」
足を入れたゆっかが苦笑いで言った
「今日は暑いからなーでも冷たいよかいいじゃん」
黄色い海中メガネを装備したキヨちゃんがいけすをヒョイヒョイ渡って行く
「あーじゅーもー!!!」
自分の事をあじゅというまだ小さい女の子が浮き輪をもって地団太を踏んだ
「だから嫌だったんだよあじゅがくるのー」
ブーブー周りから野次が出た
「いっくー準備できた?」
京助が阿部の元ににやってきて聞く
「あ うん」
阿部が取るを磯舟の上において京助に笑いかけた
「あのテトラあたりは少し深くなってるんだけどあとはだいぶ浅いから」
話しながら京助が歩くと阿部もソレについて歩く
「いっくは俺より背高いから大丈夫だよ」
京助が振り返って笑う
「ちゃんと準備体操しなきゃ駄目だよ京助もそっちの子も」
背中から声を掛けられて二人して振り向く
「操ちゃん!!!」
京助が嬉しそうに言って操ちゃんと言う人物の元に走った
「来てくれたんだー!!」
操という名前の人物の手を引っ張って京助が笑う
「一応な小学生だけじゃ危ないって言うもんだから…こんにちは」
操が阿部に挨拶をした
「こ…んにちは」
阿部が小声で返すと操が笑う
「あー!! 操だー!!!」
海の中からキヨちゃんが叫んだ
「準備運動はしたのか----------!」
操のその声は決して叫んだわけではないのにとてもよく響いた
「ねーねー! 操ちゃんも泳ぐんだろ? な?」
よほど操に懐いているのか京助がしきりに操に聞くのを阿部がただ黙ってみている
「お前なぁ…;その子お前の友達なんだろ?だったらちゃんと遊んでやりなよ」
操が京助の頭を撫でた
「じゃー操ちゃんも一緒に!」
「あのなぁ;」
京助に手を引っ張られた操の頭からタオルと帽子がずり落ちて今まであまり見えなかった操の顔が見えた
頭の上で一本に束ねられた色素の少し薄い髪の毛が浜風に舞った
「男?」
阿部が思わず聞くと京助と操がきょとんとして止まった
「そうだよ」
苦笑いで操が返し帽子を拾った
「外人みたい」
阿部が言う
「よく言われるけど日本人、コイツのイトコ」
京助の頭に手を置いて操が笑った
「中学三年の14歳」
グシャグシャと京助の頭を撫でると京助が嬉しそうにでも半分嫌そうにその手を払った