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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・四】らぶりーべいべー

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「じゃぁさ、どうする? 前浜? それとも浜ちゃんトコまで歩く?」
「前浜にしようよー」
「まずは朝ごはん食べてー…九時くらい?」
またワイワイと話しながら動き出した集団の中で阿部がなんとなく嬉しそうに顔をほころばせた

「昨日はアレだけ帰る帰るいってたのに…」
少しパンチパーマッ気がある髪の阿部の母親が茶碗に口をつけて御飯をかき込む阿部を見ていった
「栄野ンとこの京助達と海さいくってな」
首からタオルを提げた婆が新聞を広げて聞く
「うん御飯食べて九時」
「ホラ御飯ツブ」
嬉しそうに阿部が答えると阿部の母親が阿部の服についた御飯ツブをとった
「いっくにもついに彼氏?」
「違うもん!!」
バタンと冷蔵庫を閉め手には麦茶を持った阿部の姉が茶化すように言うと阿部が反論する
「だって郁恵より背低いもん」
阿部が自分の食べた茶碗を台所に運びながら姉に言った
「男子って中学校くらいからすんごい身長伸びんだよー」
麦茶を飲み干したコップを水ですすぎながら阿部の姉が言う
「私もついていっていい?」
「なんで?」
「将来の弟でも見に行こうかなって」
「馬鹿言ってないで洗濯物干してきて」
阿部に聞いた阿部の姉に阿部の母親が言った


「阿部」
家庭科室の入り口で呼び止められた阿部が振り向いた
「きょ…;」
「どもってるどもってる; …どうしたの?」
今の今まで話題にしてた京助を見て言葉に詰まった阿部の代わりにミヨコが答える
「いや大したことじゃないんだけどさぁ…前にありす来た時の写真あるか?」
京助が聞く
「写真…って…」
「ホラお前携帯で何か写してたじゃん?」
阿部が一歩前に出た
「…私達先に行くね」
本間がソレを見てミヨコの腕を引っ張って家庭科室の中に入っていく
「ちょ…;」
「ねぇならいいんだけどさ;」
「え…っと;」
本間の方を見てそしてまた京助の方を見てそして俯く
「…どっか具合悪いんか?」
「べ…なんでよ;」
しばらく黙って俯いたままだった阿部に京助が聞いた
「いや; だってお前何か変だし」
「ッ…!! 失礼ねっ!!!; 別に具合悪くないわよッ!!!;」
阿部が怒鳴ると生徒の視線が集まった
「…馬鹿」
本間が家庭科室の中で蛇口を捻りながら呟いた
「…携帯のメモリに残ってるかもしれないけど…」
阿部が小さく言う
「ソレって現像とかできんのか?」
京助が聞く
「セブンで…でもまずは残ってるか確かめないといけないから…ちょっと待ってて」
阿部が歩き出す
「俺も行くわ」
阿部の後ろを京助も付いて行く
「付いてこなくてもいいよ」
「いーじゃん; 可愛くねぇなぁ;」
「悪かったわねッ!!!;」
隣に並んだ京助に阿部が怒鳴りながら歩く