小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第十一回・四】らぶりーべいべー

INDEX|3ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

「なぁなぁお前明日も来るか?」
京助が阿部に聞く
「わかんない…帰るって言わなければ明日も来るし」
「来いって!! あそぼーぜ!! 坂田が旅行いってるから暇なんだ~」
子供の特技とも言える会ってハイ!!すぐお友達というコトになったらしく京助が阿部に言う
「郁恵も遊びたい!!」
ぱぁっと笑顔になった阿部が言った
「じゃぁ明日もこいよ!! 約束ッ」
京助が笑顔で差し出した小指に阿部が小指を絡ませた
「ゆーびきーり…」
「おーい京助ー!!!」
歌いだした京助を校門のところから誰かが呼んだ
「キヨちゃん達だ」
阿部を指を絡ませたまま京助が校門のところに向かって手を振る
「何年生?」
阿部が聞く
「キヨちゃんは五年生でゆっかとクリが二年でー…あ、体操始まる!!」
紺色のミニカから出てきた誰かのお母さんの手に持たれていたラジカセを見た京助が阿部の手を引っ張って走り出した
チャンチャララッチャッチャッチャ♪
「あーたーらしぃあっさがきーた~きぼぉのあっさーだー」
ラジカセからノイズ交じりに流れてきたラジオ体操の歌を誰からとでもなく歌い始めそれがいつの間にか合唱となってグランドに響く
『全国の皆さん!おはようございます!!本日は埼玉県…』
ラジオ体操の歌が終るとやたら元気が良くて聞いてるこっちが逆に疲れそうなんだよというカンジのオッサンの声
「この声さぁ俺が一年の時から変わってねぇ気がするんだけど」
キヨちゃんと呼ばれていた五年生が言う
「だってドラえもんの声もずっと一緒じゃない? だから別にいいと思う」
ユッカと呼ばれていた二年生が言った
「ハイハイ!! 広がって広がって!!」
誰かのお母さんが声を張り上げると各自両手を思い切り伸ばして間隔を取り体操の準備に入った
『腕を前から上げて背伸びの運動~!!』
ラジカセから聞こえた指示にあわせて子供達が一斉に足を肩幅に開き両手を上に上げた
『イッチニ、サンシッ』
やたら軽快にリズムをとるその声に操られてるかのように体操をする
『続いてラジオ体操~第二~!!!』
第一体操が終わり第二体操の準備に入るようラジカセからの声が指示を出したところで誰かのお母さんがスイッチを切った
「第二やらないの?」
阿部が隣の京助に聞く
「やったりやらなかったりだな」
京助が返した
「まゆちゃんトコのおばさんはやらないんだ」
「ふぅん…郁恵のとこは毎回第二やってたよ」
判子を貰うためにまゆちゃんのお母さんの所に向かいながら阿部が言った
「はっらへった~ぁ!!!」
判子を押してもらったクリと呼ばれた二年生が大きな声で言う
「俺もー」
京助が手を上げた
「なぁなぁ朝ごはん食べたらさ海いかねぇ?」
キヨちゃんが校門方向に向かいながら振り返った
「あーじゃぁゆか あじゅも連れて行くー」
「え~…あじゅすぐ泣くじゃん」
「アキラ君とかも誘ったりしない?」
ワイワイしながら歩く子供達の中で阿部は一人黙って歩く
「えっと…名前なんていったっけ;」
京助にいきなり聞かれて阿部がきょとんとした顔を上げた
「阿部…郁恵」
「じゃぁ郁恵ちゃん? 阿部ちゃん?」
阿部が答えるとキヨちゃんが聞く
「学校ではいっくって呼ばれてた」
阿部が小さく言う
「じゃぁいっく!! お前もこいよ海!!」
京助が笑いながら言う
「でも水着もってきてないし…」
「俺らも着ないし水着なんて」
「そうそう短パンとシャツだよな」
阿部が言うとそんな答えが返ってきた
「な? な? いっくも泳ごうよ」
京助が是非ともというカンジで阿部を誘う
「うん…じゃぁお母さんに言ってみる」
阿部が笑って答えた