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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・四】らぶりーべいべー

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「…実はな【時】はもう始まっていたんよ」
阿修羅が静かに口を開いた
「竜のボン…いいか? オライが今から話すことを聞いても……」
京助を真っ直ぐ見る阿修羅が目を伏せた
「…最初に言っておく…逃げるな」
そして見たことないかもしれない真剣そのものの視線で再び京助を見た
「そんなに念を押して言うほどの話?;」
中島が聞く
「ああ…そうだ」
阿修羅が答える
「それでもオライは話さないと駄目なんきに…そして竜のボン…お前は聞かないといけないんきによ」
視線が京助に集まる
「…竜の術が完全に解けた時…もう始まっていた【時】は全貌を現す…その前に…」
「京助?」
瞬き一つしない京助に南が声をかけた
「少しは思い出してきたんじゃないかと思うんけど」
「思い出して…って…」
阿修羅の言葉に坂田が突っ込む
「勘がいいのーメガネ…そう…竜はな…【記憶】に術をかけたんきに…【アイツ】を知ってる…全ての奴らの記憶に」
「きゃぁ!!」
「おぅッ!;」
突然吹いた風に生徒達が声を上げ物があちこちに飛んでいく
乾いた音をさせて発泡スチロール製の箱が校舎の壁に当たった

「…操」

阿修羅が小さく言った名前を聞いた京助が目が見開いた



立ち上る湯気が天井で雫にかわり湯船に落ちた
「…【時】は既に始まっていたのだ」
迦楼羅が静かに言った
「え…そ…ええ!!?」
ザバっと緊那羅が立ち上がった
「だが…始まってはいないのだ」
「…は?;」
付け足した迦楼羅の言葉に緊那羅がきょとんとする
「それって…どういう意味だっちゃ?;」
緊那羅が聞く
「だからだな…【時】は始まっていたのだが…本格的には始まっていたのではなく…」
迦楼羅が説明するのを聞く緊那羅が考え込む
「だから僕が説明すると言ったんですよ」
風呂の戸越に聞こえた乾闥婆の声
「まったく…とにかく早々に風呂から上がってください」
そう言うと戸越に見えていたシルエットが遠ざかっていった
「…迦楼羅って…口下手なんだっちゃ?;」
緊那羅が聞くと迦楼羅がむすっとした顔で浴槽の淵に手をかけた