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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・四】らぶりーべいべー

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まだ外はぼんやりと明るく窓から差し込む夕焼けの光が電気の代わりになっていた
「……」
入浴剤 (バブ)を入れたせいでほんのりとお湯から漂うはさくらの香
小さくなったソレはしゅわしゅわと音を立てて浮かび緊那羅の肌に触れそして溶け消えた
遠くから悠助の笑い声が聞こえそして鳥倶婆迦の声も聞こえた
浴槽の淵に顎を乗せてなにげなく風呂場を見渡す
「…ふぅ…」
鼻からの溜息をつくと天井を見上げた
「…明日…天井掃除しないと駄目だっちゃね…」
ポツリと独り言をもらしてまた黙り込む
しばらくして浴槽の淵に手をつき湯船から上がろうと足をかけ…

ガラッ

…ピシャン

ザー…

チャポン

「ふー…」
突然の乱入者を見たまま止まった緊那羅
「…何を見ている」
湯船の中でタオルを絞った迦楼羅がソレを頭に乗せながら緊那羅に言う
「上がるなら上がれ浸かるなら浸からんか…」
顎すれすれまで湯船に浸かりながら迦楼羅が言った
「な…;」
やっと緊那羅が口をパクパク動かした
「何してんだっちゃ---------------ッ!!;」
「風呂に入っている…見てわからんのか」
「そうじゃなく!!; どうして入ってきたんだっちゃッ!!;」
「入りたかったからだ」
「だ…ッ;」
顔を赤くして湯船に勢いよく沈みながら緊那羅が喚くのに対し迦楼羅が淡々と答える
「女でもないのに喚くな! たわけッ!」
「ぶっ;」
迦楼羅が手で水鉄砲を作り発射すると緊那羅の顔面に直撃した
「同じものが付いているだろうが!!」
「立たなくていいっちゃッ!;」
迦楼羅が立ち上がろうとするのを緊那羅が必死で止める
「まったく…」
ブツブツ言いながら迦楼羅がタオルを湯船に沈めた
「…聞きたいことがあるのではないか?」
「え…?」
ぎゅっとタオルを絞りながら迦楼羅が緊那羅に聞いた
「今頃阿修羅が京助に話しているだろう」
「京助…に?」
緊那羅が迦楼羅を見た
「…そしてワシはお前に話す…ようにと頼まれたのだ」
タオルを再び頭に乗せた迦楼羅が湯船の中であぐらをかいた
「だからって何で風呂…;」
向かい合った緊那羅が正座をした
「話にきたらお前が風呂だと聞いたからだ」
「だからって…; 上がるまで待つとか…;」
呆れる緊那羅に対しさらっと迦楼羅が言う
「正直…ワシもこんなことになっているとは知らんでな…阿修羅から聞かされるまで…は…」
まいったよというような顔で迦楼羅が溜息をついた
「こんなこと…って…」
緊那羅が聞く
「…緊那羅…」
迦楼羅が真剣な顔で緊那羅を見た