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てっしゅう
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「ぶどう園のある街」 第六話

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温泉を出てから三人で食事をして家に帰った。もうすぐお正月か来るからいろんな準備をしなくちゃいけないと母は話していた。
介護の仕事に正月休みはないから、来年は簡単に済ませて欲しいと美也子は返事した。父親が泊りがけで温泉に行こうと言い出したので美也子はそれがいいと賛成した。不安なのか母は渋っていたが、今日の温泉に入れたことがすこし自信につながっていたようだ・・・
父と二人で行くことに納得をした。美也子が場所を選択してそれほど遠くない海辺の温泉街にした。

「野村さん!もうすぐお正月ですね」
「お正月?・・・」
「そうですよ、あけまして・・・おめでとう・・・なんですよ、解りますか?」
美也子は野村雅子にそう話しかけていた。

「お年玉あげなくちゃね・・・あなたは何歳でした?」
「嬉しい!お年玉いただけるなんて・・・30歳ですよ」
「美也子ちゃんは3歳だから・・・300円にするね」
「何買おうかしら?300円も頂いて・・・」
「貯金しなきゃダメよ。大きくなったらたくさんお金が要るようになるからね」
「そうね、じゃあ・・・貯金箱に入れて貯めておこうかな」
「お利巧ね・・・」